2025年3月31日付けで改訂された国土交通省航空局の標準マニュアル改訂概要についてまとめました。
■概要
国土交通省航空局は、航空業界の安全性や効率性を向上させるために、標準マニュアルを定期的に改訂しています。目的は、最新の技術や運用方法、法令の変更に対応することとされています。
■航空局標準マニュアルとは?
飛行許可承認申請の際に、標準的な飛行手順や安全管理体制などを示す書類として添付が可能なマニュアルです。特定飛行の許可申請の際にはマニュアル添付を求められます。飛行場所を特定した申請で利用可能な航空局標準マニュアル01、飛行場所を特定しない申請のうち、人口集中地区上空の飛行、夜間飛行、目視外飛行、人又は物件から30m以上の距離を確保できない飛行、危険物輸送又は物件投下を行う飛行のみで利用可能な航空局標準マニュアル02の他に、航空局標準マニュアル(空中散布)、航空局標準マニュアル(研究開発)、航空局標準マニュアル01(インフラ点検)、航空局標準マニュアル02(インフラ点検)等があります。
■包括申請で使用するマニュアル02の改定ポイント
・風速制限に関する条件の緩和
改訂前→5m/s以上の突風が発生した場合は、即時に飛行を中止すること
改訂後→ただし書きに、「5m/s以上の突風で飛行可能であることを、製造者等が定める取扱説明書等にて確認している場合は、その条件による。」が追記
・降雨時に関する条件の緩和
改訂前→「雨の場合や雨になりそうな場合は飛行させない。」
改訂後→「ただし、雨でも飛行可能であることを、製造者等が定める取扱説明書等にて確認している場合はその限りではない」が追記。
・訓練要件細分化(目視外飛行補助者ありとなし)
改訂前→目視外飛行について補助者なしの記載は無し
改訂後→目視外飛行における操縦訓練を「補助者あり」と「補助者なし」の2通りにした
・物件の吊り下げ・曳航に関する条件の緩和
改訂前→物件のつり下げ又は曳航は行わない
改訂後→つり下げや曳航を行う場合も想定したマニュアルに変更
・夜間飛行を行う際の体制
改訂前→「飛行高度と同じ距離の半径の範囲内に第三者が存在しない状況」
改定後→上記が削除され、「日中、飛行させようとする経路及びその周辺の障害物件等を事前に確認し、適切な飛行経路を選定する。」が追記
・許可承認証のデータでの携帯が認められた
改訂前→飛行の際には、無人航空機を飛行させる者は許可証又は承認書を原本又は写しを携行する
改訂後→電子データの携帯でも可が追加
■最後に
今回の改訂は、基本的には規制緩和にシフトした感があります。詳細は以下を参照してください。
■マニュアル01(https://www.mlit.go.jp/common/001521377.pdf)
■マニュアル02(https://www.mlit.go.jp/common/001521378.pdf)